当計画はMRI室・CT室・手術室を備えた高度な二次医療を提供する動物病院の建て替え移転事業です。
緑豊かな公園に隣接する敷地を活かし、公園とメイン出入口を結ぶ動線をアプローチとして、公園と建物が一体となるように計画しました。3階の医局からアクセスできる北側のルーフテラスでは、働く方々が公園の緑を感じられ、仕事の合間にほっとできる場になるよう設計しています。
外観デザインは、ランダムな外壁パネルを基調にしつつ、シンプルにまとめました。3階のルーフテラスにはパーゴラを設置し、スカイラインを整えたシンプルな形状を実現しています。また、動物が散歩できるバルコニーのルーバーのボリュームをアクセントとしました。駐車場には、雨天時でも車からケージを運びやすいように屋根を設け、水平ラインを強調したデザインにしています。
待合室は、患者様が来院時に安心感を持てるよう、やさしい色使いで明るい雰囲気の空間を意識して設計しました。1階にはメイン出入口から、受付・待合室・診察室を配置し、待合室にあるエレベーターから2階の面談室へアクセスできるようになっています。診察室を抜けた先はスタッフ専用のゾーンとし、メインの処置室を中心にMRI室・CT室・X線室・手術室などを配置しています。
2階は入院ゾーンと手術ゾーンに分かれています。入院ゾーンでは24時間体制で入院している動物のケアを行い、手術ゾーンには4つの手術室と準備室・洗浄室などを設けており、さらにCT室・X線室も併設しています。
3階はスタッフ用のフロアで、医局を中心にセミナー室・会議室・事務局などがあります。
この施設は、緑豊かな公園に隣接し、患者様と働く方々にゆとりを感じてもらえる空間を提供しながら、高度医療で動物を治療する場として、長く運営されることを願って設計しました。