建物・土地活用ガイド

2022/02/01

3分で分かる! 土地活用には、どんな種類があるのか

土地は活用して初めて効用を発揮する

土地は「なんらかの用途で使って」はじめてその効用を発揮します。個人で土地を所有されている方は、例えば「自宅」「駐車場や倉庫」等として使うことで、毎日の暮らしを支えるものとなります。企業ならば、「オフィス」「工場」「店舗」「倉庫」等を建てて、そこで生み出される財やサービスを提供して、収益をあげることができます。
また、自ら使わずに「貸す」という選択肢もあります。後述しますが、貸す場合は「土地をそのまま貸す」と「何かを建てて貸す」の2択になります。

土地は、そのままだと負債となる

土地を何にも使わずにそのままに(更地のままに)しておくと、「効用を発揮しない」あるいは「収益を生まない」だけでなく、逆にお金がかかります。まずかかるものとしては、各種税金です。更地には固定資産税や都市計画税が「評価額のまま」かかるため大きな負担となります。税の仕組みではこうした「何も使っていない土地」、つまり「所有権以外の権利がついてない土地」が最も高い税率になります。税制度は政府の意向が色濃く出ますから、「何も使っていない土地には優遇はありませんよ。何かに使ってください。」という政府からのメッセージがあると言えます。また、使っていなくても維持管理費など一定の出費があります。このように、ただ持っているだけの土地は、ある種の「負債」と言えます。

改めて、土地活用とは?

このような「何も使っていない土地」あるいは「前は何かに使っていたが、いまは使っていない土地」は、「この先も使わない可能性が高い」ならば手放す(つまり売却する)かどうかの検討をしますが、一度所有した土地をそう簡単に手放すことができる方は多くありません。よほどの過疎地ならば考えることもあるかもしれませんが、こうした土地は「買い手」が付かないことも多いでしょう。
そこで、自ら使わないのであれば、冒頭に述べたように「誰かに土地を貸す」か「何かを建てて貸す」など、土地の所有権を持ったまま土地を活かして使い、収益を上げる存在に変える選択肢を検討します。これが土地活用です。

それでは、土地を売らずに、そこから収益を得る土地活用にはどんなものがあるのでしょうか。

最初の2択

最初に、「所有する土地に自ら何らかの建物を建てて貸す」か、ただ単に「土地を貸す」か、に分かれます。
それぞれのメリット・デメリットがあります。今回は簡単にお伝えし、今後の記事で詳細をお伝えしたいと思います。
「何かを建てて貸す」場合、建物を建てる建築費用が掛かります。一般的には借り入れで行う方が多いようです。また、建てた建物を企業等に貸す契約では「建築負担金」という形でテナント企業が建築費を全額(あるいは一部)負担し、それを契約期間内に返済するというパターンをとる事もあります。この場合では、賃料という形での収入となります。
「土地を貸す」タイプは、定期借地契約を行い借地料(=地代)が入ってきます。借地借家法に基づき一定期間以上の契約期間となり、その間は他の活用はできません。
一般的に同じ土地ならば、「何か建てて貸す」パターンの方が収入は大きくなりますが、その分投資も必要ですので、ある程度のリスクを背負う事になります。

土地活用の種類を全体俯瞰

土地活用として行う賃料収入のパターンを次に列記します。

「何かを建てて貸す」タイプ
(いろいろとありますが、ここでは代表的なものを記載します。)

@ 賃貸住宅(アパートタイプ)
A 賃貸マンション(RC) →松建設が得意な賃貸住宅です。
B 賃貸住宅(戸建)
C ビル
D 商業系施設(流通小売、飲食等)
E 医療関連施設
F 介護・高齢者関連施設(老人ホーム・サ高住・グループホーム)

「土地だけ貸す」タイプ

@ 定期借地として企業や個人に貸す
A 駐車場経営

どの土地活用がベストか?

お持ちの土地が、上記のどのタイプが最も適しているか(つまり、入居者が付きそうか、賃料はより高く取れそうか)は、周辺の状況を見れば概ね想像がつくと思います。例えば、街中だったらオフィスビルや賃貸マンション、ロードサイドなら商業施設等が向いていますし、郊外の駅から徒歩数分の土地だったら賃貸マンションが向いている等、大体パターンがあります。

しかし、そのエリアを担当している土地活用の専門家が見れば、需要に対しての物件供給状況等の検討から、違った最適策を提案する可能性もあります。また、その土地によって建築基準法上の制限がありますし、近くのエリアでも行政の区切りで条例が異なる等、周りの環境だけで、ベストな土地活用スタイルが決まるということでもありません。

松建設では、各エリアごとに担当者がおり、適切なアドバイスが可能ですので、もし「土地活用」をお考えの方は、一度ご相談してみるといいでしょう。

吉崎 誠二 Yoshizaki Seiji

不動産エコノミスト、社団法人 住宅・不動産総合研究所 理事長
早稲田大学大学院ファイナンス研究科修了。立教大学大学院 博士前期課程修了。
(株)船井総合研究所上席コンサルタント、Real Estate ビジネスチーム責任者、基礎研究チーム責任者、(株)ディーサイン取締役 不動産研究所所長 を経て現職。不動産・住宅分野におけるデータ分析、市場予測、企業向けコンサルテーションなどを行うかたわら、テレビ、ラジオのレギュラー番組に出演、また全国新聞社をはじめ主要メディアでの招聘講演は毎年年間30本を超える。
著書
「不動産サイクル理論で読み解く 不動産投資のプロフェッショナル戦術」(日本実業出版社」、「大激変 2020年の住宅・不動産市場」(朝日新聞出版)「消費マンションを買う人、資産マンションを選べる人」(青春新書)等11冊。多数の媒体に連載を持つ。
レギュラー出演
ラジオNIKKEI:「吉崎誠二のウォームアップ 840」「吉崎誠二・坂本慎太郎の至高のポートフォリオ」
テレビ番組:BS11や日経CNBCなどの多数の番組に出演
公式サイトhttp://yoshizakiseiji.com/

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