建物・土地活用ガイド

2022/02/07

建物見学会の活用方法

松建設では例年、年に1回実際に松建設が建築した物件を見学していただく「プレミアム建物博覧会」(全国一斉内覧会)を開催※しています。
21年12月から、関東エリア、関西エリア、中部エリアで目下開催中です。
実際に賃貸住宅やビルの建築を考えている方にとっては、資料や説明では分かりにくいことなどが生の実例が見られるということで、様々なことが実際に目で見て触れてみて実感できると思います。
今回のコラムでは、実際に建築をされた多くのオーナー様が「役立った」と感想を述べられる「建物見学会」の活用方法についてお伝えしたいと思います。

※「プレミアム建物博覧会」のほか、1年を通して内覧会や基礎配筋見学会を開催しています。
※「プレミアム建物博覧会」はこちら:https://www.takamatsu-const.co.jp/lp/nairankai/

建物見学会に行く2つのパターン

建物見学会に行かれる方には2つに大きく分かれます。 1つめは、すでに担当者などと打ち合わせを始めている「すでに検討段階にある」という方と、いつか建てようと思っている「そのうち、いつか」という方です。
それぞれにおける建物見学会に行く「メリット」とは、「見ておきたいポイント」は以下の通りです

建物見学会の2つのパターン

見学会には2つのパターンがあります。施工途中に開催される「構造見学会」と建物が完成した後に行われる「完成見学会」です。
構造見学会は工事の途中に行われ、内装工事が始まると見ることのできない土台部分(基礎工事部分)や構造部分(梁や柱、連結部分)などを見ることができます。※工事進行状況により異なります。
そのため主に、耐震性、安全性に関しての疑問を解消する場と言えます。
また、「工事真っただ中」というタイミングで工事を一時的に止めて見学会を行いますので、工事現場の状況が分かります。ある建築士から、「現場が綺麗で片付けなどがきちんと行われている現場では、職人さんたちが丁寧に仕事をしていることが多く、丁寧な施工が行われている可能性が高い」と聞いたことがあります。こうした事も、構造見学会でうかがい知ることができます。その場に職人さんがいれば、実際に話を聞くこともできます。

一方、完成見学会では、施工会社の「こだわり」や施主(オーナー様)のこだわりなど、建物の仕上がりを見る場ということになります。内装のデザインや実際に使用・利用する際の導線など「使い勝手の良さ」も分かります。
加えて、工事の仕上がり状況にもよりますが、植栽や外溝といった外回りも見ることができます。建物は、外周りの仕上がり・デザイン感で醸し出す雰囲気が大きく変わります。こうした部分に施工会社の「こだわり」のようなものを見られるといいと思います。

建物実例を見ながら、聞いておきたい事

見学会に参加した時には、ただ単に建物や構造の見学をし、現場にいる施工会社の担当者からの話を聞くだけではなく、以下のようなことを積極的に質問するといいと思います。
また、質問する内容は事前にメモなどをしてまとめておくといいでしょう。

質問の一例をあげると、まず「なぜ建築(建て替え)をしようとしたのか」など、オーナー様の建築動機についてです。建築は施主の方が目的の実現に建てるものです。その目的を聞いてから見ると見方が適切になります。動機に加えて、「オーナー様が打ち合わせ初めの頃にどんな要望を出したのか」も聞いておけば、より適切に建物を見ることができます。
そして、その要望を叶えるために施工会社として「苦労したこと、悩んだことは何か?」も聞き、「悩んだ末に、どう解決したのか」を実際の建物を見て説明してもらいましょう。そうすれば、その会社の提案力や問題解決力を推し量ることができます。
また、「この建物におけるこだわり」についても聞きましょう。こうしたことを丁寧に応えてくれる施工会社を選ぶといいと思います。

まとめ

建築を考えるならば、実際に施工会社が建築した物件は必ず見学しましょう。また、できれば複数物件見るといいでしょう。そのためにも、積極的に「建物見学会」に参加し、実際の建物を見ながらとことん質問をして、疑問点を解消する時間を作っていただきたいと思います。

吉崎 誠二 Yoshizaki Seiji

不動産エコノミスト、社団法人 住宅・不動産総合研究所 理事長
早稲田大学大学院ファイナンス研究科修了。立教大学大学院 博士前期課程修了。
(株)船井総合研究所上席コンサルタント、Real Estate ビジネスチーム責任者、基礎研究チーム責任者、(株)ディーサイン取締役 不動産研究所所長 を経て現職。不動産・住宅分野におけるデータ分析、市場予測、企業向けコンサルテーションなどを行うかたわら、テレビ、ラジオのレギュラー番組に出演、また全国新聞社をはじめ主要メディアでの招聘講演は毎年年間30本を超える。
著書
「不動産サイクル理論で読み解く 不動産投資のプロフェッショナル戦術」(日本実業出版社」、「大激変 2020年の住宅・不動産市場」(朝日新聞出版)「消費マンションを買う人、資産マンションを選べる人」(青春新書)等11冊。多数の媒体に連載を持つ。
レギュラー出演
ラジオNIKKEI:「吉崎誠二のウォームアップ 840」「吉崎誠二・坂本慎太郎の至高のポートフォリオ」
テレビ番組:BS11や日経CNBCなどの多数の番組に出演
公式サイトhttp://yoshizakiseiji.com/

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