建物・土地活用ガイド

2022/05/16

賃貸住宅のリフォームの一覧

自宅用の住宅も賃貸用の住宅も一定年数が経過すれば、メンテンスの域を超えたある程度のリフォームが必要となります。一般的なリフォームは自宅・賃貸とも不具合のある設備を取り換えるような、必要に迫られた工事です。
自宅のリフォームにおいては、快適性や利便性を追求する目的が主ですが、賃貸住宅においては築年数の浅い物件との競争による「家賃下落を防ぐ」ことや「空室を出さない」ことが主目的となります。
賃貸住宅におけるリフォームについての全体俯瞰をしたいと思います。

賃貸住宅におけるリフォームのタイミング

賃貸住宅における必要不可欠なリフォーム工事はどんなものがあるのでしょうか?
その必要確率が高まる時期と部位について解説します。
ここでの年数については概算で、状況により耐用が変わることをご了承ください。

賃貸住宅で最も多発するのは、入退去時のメンテナンスリフォームです。
@数年に一度の入退去時に発生する営繕・修繕工事のようなもの
オーナーが負担するものと、入居者が負担(敷金から差し引き)するものがあります。

次に、築10年を超える頃から増えてくる室内建具などの不具合です。
A室内各所のメンテナンス、ドアや扉の不具合調整
経年劣化によるものか、入居者の使い方の問題か、揉める事例も多いようです。

ここからは一般的なリフォーム工事の内容で、費用もそれなりにかかります。
B築15〜20年を超えるころから増える、エアコン、給湯器の取り換え
C 築20年を超えると増える、水回り設備の不具合、交換

などが挙げられます。

ここに挙げたものは、使い方如何を問わずたいてい発生するもの(言い方を変えれば、住宅設備品の消耗によるもの)ですから、建築する際、賃貸住宅経営を始める前に長期修繕計画に見込んでおくことが重要です。

賃貸住宅におけるリニューアル・大規模リフォーム工事

次に、20年を超えると気になり出すのが、外壁の汚れや劣化です。少し大掛かりな工事になります。

D外壁・屋根の塗装・防水
外壁改修工事は、はっきりと分かりやすく賃貸住宅が綺麗に生まれ変わり美観を取り戻します。美観だけでなく、建物の耐久性の向上にもつながります。

時の経過とともに、住まい方のトレンドにも変化が起こります。

E間取りの変更(内部リニューアル工事)
変化に対応するための室内改装は、入居者ニーズを満たすためにも必要となります。また、周辺環境の変化により立地における間取りニーズが変化することもあり、それに応えるということにもなります。

外壁・屋根に関するリフォーム工事は、足場を組んだりシートをかけたりしますので、その間に退去者が出たり、入居者が付きにくかったりします。そのため最低限のメンテナンスで済む仕様にしていると、工事費用が抑えられるだけでなく、空室や家賃下落の心配が少なくて済みます。

共用部のリニューアル工事

エレベーターや共有玄関(エントランス)・廊下・階段など建物の共用部分の改修工事は、利用者が使用しながらの工事になるので細心の注意が必要となります。適切な時期のメンテナンスや、時代のニーズに応えた新しい癒しの空間、利便性の高い設備を取り入れることも、経年時の「家賃維持」や「満室稼働の維持」に繋がります。

専門の業者を選ぶ

松建設では、グループ会社の松テクノサービス株式会社が建物のメンテナンスやリフォーム・リニューアル工事を行っています。施工実績が豊富な専門業者ならではの提案力に高い評価を得ているようです。

吉崎 誠二 Yoshizaki Seiji

不動産エコノミスト、社団法人 住宅・不動産総合研究所 理事長
早稲田大学大学院ファイナンス研究科修了。立教大学大学院 博士前期課程修了。
(株)船井総合研究所上席コンサルタント、Real Estate ビジネスチーム責任者、基礎研究チーム責任者、(株)ディーサイン取締役 不動産研究所所長 を経て現職。不動産・住宅分野におけるデータ分析、市場予測、企業向けコンサルテーションなどを行うかたわら、テレビ、ラジオのレギュラー番組に出演、また全国新聞社をはじめ主要メディアでの招聘講演は毎年年間30本を超える。
著書
「不動産サイクル理論で読み解く 不動産投資のプロフェッショナル戦術」(日本実業出版社」、「大激変 2020年の住宅・不動産市場」(朝日新聞出版)「消費マンションを買う人、資産マンションを選べる人」(青春新書)等11冊。多数の媒体に連載を持つ。
レギュラー出演
ラジオNIKKEI:「吉崎誠二のウォームアップ 840」「吉崎誠二・坂本慎太郎の至高のポートフォリオ」
テレビ番組:BS11や日経CNBCなどの多数の番組に出演
公式サイトhttp://yoshizakiseiji.com/

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